認定特定非営利活動法人ファミリーハウス

ごあいさつ

ファミリーハウス理事長の
江口 八千代からのごあいさつです。

病気の時こそ大切な
「ふつうの生活」を支えたい​

江口 八千代

  • 特定非営利活動法人ファミリーハウス
    理事長
  • 元 独立行政法人国立病院機構
    相模原病院 看護部長
  • 瑞宝双光章 受章
  • 元 内閣府休眠預金等活用審議会
    専門委員

認定特定非営利活動法人ファミリーハウス(以下団体としてはファミリーハウス、施設をさす場合はハウスとする)は、1991年設立から30年以上が過ぎました。小児がん等難病の専門治療を受けるために遠隔地から来る子どもと家族が、病院近くで経済的負担が少なく滞在でき、また利用する家族同士が情報交換を行い、支え合うことのできる施設を都内で運営しています。病気の子どもと家族の、病気の時こそ大切にしたい「ふつうの生活」を支えています。

活動のきっかけは、私が看護師長として勤務をしていた国立がんセンター中央病院に子どもが入院している家族の切実な声でした。1991年当時入院していた子どもの親が実態のアンケート調査を行いました。その結果、いつまで入院生活が続くのかわからない不安、入院中の子どもの面会、医療者や他の親との関係作り、地元に残してきた家族や子どもの心配、夜間一人で過ごす孤独感など、精神的負担に加えて、東京と自宅との二重生活による経済的負担の大きさがわかりました。アンケート結果から入院中の子どもの看病に専念できる安心・安全・安価に滞在できる場所が必要ということが明確になりました。ファミリーハウスの活動は、「家族+理解ある市民+医療者」が連携する市民運動として始まったことが、ユニークであり現在まで継続できている大きな力となっていると思います。

ファミリーハウスの運営はすべて寄付によって賄われています。個人、企業による寄付金や物品寄付、バザーやチャリティコンサートの売上金、助成金によるものなどです。ハウスの運営はボランティアの支えがなければ成り立たない活動でもあります。ハウスを支える大きな力となっている個人による定期的な活動と、企業の社会貢献の一環としての活動などがあります。

1991年活動を始めると、全国から「ハウスを作りたい」という問い合わせを受けるようになりました。1990年代からこの活動は全国展開されるようになり、ハウスの数も増えてニーズの高さがわかりました。運営形態はさまざまですが、各地のハウスは地域の支援者の協力を得て非営利で運営されています。1997年から、全国滞在施設運営ネットワーク会議を年1回開催しています。ファミリーハウスは事務局を担い、情報交換と施設運営の質的向上を目指して緩やかに連携しています。

ファミリーハウス活動は30年が過ぎました。この間、ハウスを取り巻く環境も変化しました。医療の進歩、入院期間の短縮化など、医療、政策の変化により、ハウスに求められるニーズが高度化、多様化してきました。病気の子どもがハウスに滞在しながら短期入院後の経過観察のためにハウスに滞在したり、外来で治療を受けたりするようになりました。医療的配慮が必要なケースが増えています。ひとりひとりのニーズに対応できるよう病院とも連携をして安全、安心を確保しています。

ファミリーハウスの活動は当初から先例のない活動であり、活動を理解、協力してもらうために様々なことを行ってきました。活動の役割や専門性を言語化してきました。ハウス運営者のためのコンピテンシーをまとめたり、ファミリーハウスの専門性についてコミュニティケアの概念からまとめたりしてきました。コロナ禍がきっかけで、今までの活動を言語化して子ども受け入れるためのマニュアルと、感染症を中心にしたマニュアルとしてまとめました。

そして今、利用者のニーズの個別性、多様性に応えるべく、30年の経験を生かした「理想の家」の実現に向けて活動をしています。この活動の原点は、利用する家族が安心して滞在できるよう支援をすることです。家族も一方的に支援される側という関係ではなく、お互いの作用でエンパワメントできるよう支援していくことです。社会情勢をみつつ、病気の子どもを中心にした支援を家族とともに考え実践していきます。

皆様のご理解とご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

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