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JHHHネットワーク

第10回JHHHネットワーク会議 参加報告

中島陽子 (ボランティア)

10月17日、福島県立医大看護学部で開催されたJHHHネットワーク会議における講演会、メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン(MAWJ)事務局長 大野寿子さんによる「ボランティアコーディネートについて」を中心にご報告いたします。

福島県立医大は福島市の郊外、“山の彼方”にあって、東京より早い紅葉に彩られ、少し冷たい風はむしろさわやか。思わず深呼吸。至れり尽くせりの会場設営、運営でした。お世話くださった、パンダハウスを育てる会と福島医大看護学部の関係者にまずはお礼を申し上げます。

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難病と闘う子どもたちの夢をかなえて笑顔をあげようというMAWの活動はご存知の方も多いと思う。MAWJが子供たちの最も光り輝く思い出、それが一生の最後になることも少なくないという文字通りの『ハレ』を演出することを目的とするのに対し、ファミリーハウスは、病児とその家族に平穏な、出来るだけ普段と同じ生活をしてもらおう、つまり『ケ』を維持する地道な活動であるという大きな違いがある。しかし、会の目的を大切にし、その実現のためにはスタッフ、ボランティアともイマジネーションに富んだ感性が求められるといった根底は全く共通であると、講演を伺った後、強く感じた。

MAWは1980年にアメリカに起こり、活動の輪は世界33ヶ国に広がる。日本では1992年にスタート。現在は東京を拠点に全国8支部あり、これまでに1,423名の子供の夢を実現し、3,500名を超えるボランティアが関わっている。活動プロセスはしっかりとマニュアル化されているが、実際の運営においては、柔軟な対応も必要なようで、そこに事務局長の大野さんの存在が大きいという印象を受けた。
実際の夢の実現については、それぞれの難病の子供一ケースに対して16名のウィッシュチームが組まれ、そのチームが世界共通マニュアルに従って医師と連絡をとりながら実現までのプロセス一切を行う。MAWJではこれを三輪車の前輪に例え、書類審査、面接ののちに登録されたボランティアは、まずは二つの後輪、資金活動と広報という後方活動に携わる。ボランティアは毎月開かれるミーティングで資金集めやイベントなどの活動について自分の言葉で語るという経験を積むうちに、活動の理念を理解し、自覚が高まり、協調性が育つ。ボランティアの横のつながりもこの会で生まれる。こういったボランティアの中から適性のあるものが選抜され、さらに2日間のトレーニングを受けたうえで初めて前輪、子供に実際に接するウィッシュチームとなる。研修では、自分で考えること、表現すること、周囲の声を聞くこと、思いつきでなくマニュアルの各ステップを着実に踏んで、チームプレーに徹することの重要性などが徹底される。一人の子供の夢を実現させる16名のチームは、大勢の地道なボランティアたちに支えられているということになる。しかし、MAWJはボランティアのための団体ではない、あくまで本来の目的の遂行に徹すること、と原点回帰を強調するシビアな大野さんがいた。組織構造が明確なのはそれぞれのボランティアの立場がはっきりして活動しやすいだろうと感じた。

広報と資金集め、活動を少しでも知ってもらい、マンパワー、資金、資源の協力を得る努力の部分はそのままファミリーハウスの活動でもある。大野さんは「ともかく知ってもらうことです」と。休憩時間に、カップ一杯のコーヒーを受け取るとき、協賛のスターバックスコーヒーのスタッフに、「メイク・ア・ウィッシュの大野です。ありがとう」と挨拶されていた。テイク チャンスの実際を目撃した瞬間だった。

病児の願い、会ったこともない子供から夢や笑顔、喜びをもらうことができる我らの活動。参加してよかったと思えるのは人の心、想いと響き合う共感力、想像力があってこそ。スタッフもボランティアも元気に、楽しそうに、面白そうに、生き生きと!という言葉で講演が締めくくられた。