Let's Study
Vol.74 心臓の役割
2026.01.13
Let's study
私達が知っておきたい知識を専門家から学ぶこのコーナー。
今回から新たに、心臓の病気についての連載が始まります。
第1 回目は、心臓の役割や病気について伺います。
心臓の役割―それは血管を通じて血液を全身に送るためのポンプです。血液が
体内をめぐっているおかげで、肺で取り入れた酸素や、消化管で取り入れた栄養
素を全身に送ることができますし、逆に体内で生じた老廃物を腎臓に送って捨て
ることができます。原始的な生物は心臓を持たず、酸素や必要な物質は体の表面
からしみ込んでいきますが、これでは体の大きさに限界があります。心臓と血管
のシステムを持つことで、私たちは大きな体を維持することができます。
エラで呼吸をしている魚は、心室(ポンプ)は一つです。心室から送り出された
血液はエラで酸素を受け取った後で全身に送られます。両生類や爬虫類は肺で呼吸
をしますが、心室(ポンプ)は一つなので、肺で酸素をもらってきた血液(動脈血)
と体から帰ってきた酸素の少ない血液(静脈血)が心臓の中で混じってからから送
り出されます。一方、私たちヒトは、2つの心室(ポンプ)を持っているため、体
から帰ってきた静脈血だけが右心室から肺へ送られ、肺で酸素をもらってきた動脈
血だけが左心室から全身へ送られることで、より効率よく酸素を全身に送れるよう
になっています。
私たちが運動すると、体は普段よりたくさんの酸素を必要とします。たくさんの
酸素を送るために、心臓は収縮の回数と強さを増やすことで対応します。心臓に病
気があるとこれらを十分増やすことができないので、運動時に息切れしてしまい運動
能力が低下するのです。
国立成育医療研究センター
循環器科診療部長 金 基成